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英才教育には疑問が多い。確かに伸びるのだが...

「脳は5才までに完成する。それまでが勝負だ」といったたぐいの本がある。

私も、そういった発言については否定しない。脳神経細胞には成熟に一定の臨界期(締め切りみたいなもの)があるらしいのだ。もちろん、そんなものはない。と言う方もいらっしゃるが、脳の神経細胞、特に見たり聞いたりする神経細胞には、一定の成熟期間があることは確かだ。

これについては、「先天的な視覚障害者の開眼手術」と言う研究がある。こちらは「視覚」の話しだが、生まれつき視覚に障害があった人が、成長後(児童期、青年期、成人後などさまざまだけれど)、医学の発展によって眼の機能を取り戻したケースだ。

多くの研究が、そういった眼の機能を取り戻した人々が、我々と同じように、世界をはっきり見ることが出るようにならなかった...としている。一方、かなり見えるようになった例もあるわけで、絶対という訳ではないだろう。しかし、動物実験などでも、初期経験が欠けると視覚などの機能が正常に発達しないという実験があるので、個人的には臨界期はあると考えている。

とすると...だね。これは、子どもの内から特訓しておかないと、優れた音楽家、スポーツマンになれない!やっぱり特訓は必要だ! と考える人が出てくる。

うーん、どうなんでしょうか。確かに、まったく運動したり音楽を聴いたりする機会を与えないと、必要な機能は発達しない。 それは事実。 でも、それが英才児教育に関わる話しだと、実は難しい問題がいくつか出てくる。

一つは、その結果の問題、もう一つはその有用性、そして、それがもたらす危険性、などなど。

まず、経験の量の問題から述べよう。

確かに幼児期などに音楽を徹底的に訓練すれば、つまり、音楽体験を与えれば、音楽に関わる脳の部分は発達するだろう。英語にしたって、他のさまざまな能力だってそうだ。みな、どれも訓練すれば、伸びるんだな。 それは、筆者自身、過去に見てきた。

ただ、その能力がそのまま伸び続けるという可能性は...どうなんだろう。どこかでストップしてしまうんじゃないか...いわゆる「天井効果」

これは、考えてみればすぐ分かるが、やがて止まってしまう可能性の方がはるかに高い。それは、次のような事実で分かると思う。

・日本中にはかなりの数の音楽教室、スポーツ教室、英才教育スクールなどがあると思うが、そこに行った子どもの内、どのくらいが、「音楽家」、「スポーツ選手」、「超有名大学入学者」になっただろうか。恐らく、一握りだろうと思う。

・かつて、ある算数英才児教育スクールの卒業生を調査したものがある。どこのスクールかは言わないが、大学の教員がやった調査だ。その結果は...卒業生の協力がまったく得られなかったのだ。それは何を意味するか...だね。

・筆者自身の経験でもそういったケースがある。幼児で知能指数が170という子を見た。知能指数は平均が100で、130を超えると「英才」とか「天才」とか呼ぶことがある。ま、知能指数もいろいろと批判があるんだが、ともあれ、170はすごい。 で、その子については、成長後、ある大学に入ったことを聞いた。 あまり印象的な子だったので覚えていたんだ。 大学名は覚えていないが...うん、平均より上だけれど、それほど「すごい」大学ではなかった。

これが、問題なんだね。つまり、小さい頃から特訓して「英才児」に育てても、最後に「普通の人」になるなら...特訓するだけのエネルギーもお金も、もったいないじゃん。と言うこと。

昔の人もうまいことを言っている。「10で神童、15で才子、20過ぎればただの人」 うん、そうなんだよ、小さい頃伸ばして、それが続く訳ではないんだよ。

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