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少し難しい話2:コミュニカティブアプローチとは

前回、グラマティカルアプローチと言う話をした。文の決まりを中心に指導することで英語の学習を行う方法だ。

それに対して、コミュニカティブアプローチは、言語が「コミュニケーションの道具である」ということを重視する。ま、確かにそうだね。

元々,言語というのは「他人に自分の意思・感情を伝え,他人の意思・感情を受け取る」ために発生したものだ(動物の段階でも、こういったコミュニケーション、音声を使ったコミュニケーションはある。特にサルやイルカなどでは)。

だから、「文の決まり=文法・音韻の法則など」を学ぶことは、言葉がコミュニケーションの道具という点を考えれば正しい方向ではない...と言うのだ。

そこで、英語の指導方法として具体的なコミュニケーションの場を設定し、そこで如何に自分の意思・感情を英語を使って相手に伝えるかを練習する。具体的には、ロールプレイング(役割を担当してセリフをしゃべる)とか、二人組で自分の課題を説明し合うなどの指導法を取り入れる。

なるほど、これは良い。確かにそうだ...と言えるかな?

筆者もこの方法に部分的には賛成だ。特に,実際のコミュニケーションの場面で英語を「コミュニケーションの道具」として使う...と言うやり方は賛成だ。「Be動詞の過去形は、”is”と”am”が”was”になって...」なんて勉強するよりも、「さあ、この絵について説明しなさい」とやる方がよほど実際の生活、英語によるコミュニケーションに役立つ。

でも、それでも、筆者はグラマティカルアプローチに近い立場を取る。

頑固な人だね、まったく...そーなんです。とっても頑固だ。決して自説を曲げない...しかし、それには理由がある。

まず、コミュニカティブアプローチのロールプレイングだ。これは、良く英語の教科書に載っている対話文が一つのパターンだ。ある場面を設定して、その場面で行われる一般的な会話を提示する。それを、二人ないし何人かで交互に読んで「会話」をするわけだ。実際の会話がどんな感じか分かる。また、そこに出てくる文を覚えておけば、似た場面で使える。

おお、これは良いんではないか...とは、筆者は考えない。確かに「対話」、「コミュニケーション」の雰囲気は味わえる。役立つ文も覚えられる。

ところが、ところがだな。その文をそのまんま使える場面がないのだ。前にも述べたかも知れないが、筆者が若い頃、英語の勉強中に学んだ文がある。旅行会話で「空港の税関」でのやりとりだ。そのやりとりの中に、税関の職員が次のように言う。”Nothing declare?”(申告するものは何もありませんか) 当時は、「おお、なるほど。こういう風に言われるんだ」と納得して覚えた...そして、それから30年以上の年月が流れ、海外渡航も30回に近くになった...が、とうとうこの言葉 “Nothing decare?”を聞くことはなかったのだよ。

もう一つは、特に初心者において、この方法は効率が悪い...と言うことだ。ロールプレイングで決まった文を言うのなら、初心者でも何とかできる。確かにたくさんのロールプレイングをこなせば、覚えた英文も増え、どこかで使えるかも知れない。ただし、そのためには、ものすごくたくさんのロールプレイングをしなければならない。そのための時間も精神的な負担も大きい。

また、自由表現型のロールプレイングは、初心者にはハードルが高い。初心者、特に中学生や学校を卒業して15年、英語をすっかり忘れている...という人には、基本的な英文・単語の知識が十分ではないから、自分の言いたいことを、ごく簡単であっても表現することが難しい。したがって、初心者には、自由表現型のロールプレイングは難しい。相当場面設定や条件設定を工夫しないと、初心者は混乱して英語の学習にならない。

そういう訳で、筆者はグラマティカルアプローチに近い立場を取っている。

では、筆者の主張するグラマティカルアプローチがどういう利点を持つか、次回説明しよう。

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