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初心者、中学生指導の困難 (4) 再認と再生

英会話ができないのは、知っている単語が少ないからだ。これは、まず間違いがない。

かといって、単語だけ練習するレッスンは、単調だし飽きてしまうから難しいと述べた。

いや、工夫すれば単語だけのレッスンは可能だ。それをやっているところもある。正確に言えば、うまく繰り返し練習を取り入れ、それをやっている内に単語も、関連した表現も身につく指導をしているところがある。

おお、それでは、その方式で英会話ができるようになるてはないか...と言うと、それほど話は簡単ではないのだ。

心理学の話で恐縮だが、「記憶」の分類にはいろいろなものがある。「感覚記憶」、「短期記憶」、「作業記憶」...
そういった分類の一つに、「再認」と「再生」という記憶の分類がある。

ごく簡単に説明すると、テストなどで、選択は再認で、穴埋め問題は再生だ。例を挙げよう。

「江戸時代末期、政権を将軍から天皇に返した人物を次の中から選びなさい。(平清盛 徳川慶喜 山本五十六)」
「江戸時代に寛政の改革を実施した人物の名前を書きなさい。 (      )」

このように、再認というのは、与えられた言葉と記憶の中の言葉と比べる作業だ。
一方、再生と言うのは、与えられた情報を元に適切な言葉を記憶の中から探し出す作業だ。

選択問題の方が穴埋め問題より易しいことから分かるように、再認の方が再生よりも易しい。

おおお、七面倒な話をしたけれど、これは英会話練習に大きな意味を持つからちょっと頭においていて欲しい。

筆者は、「リスニング」だけでは英会話はなかなか上達しないと述べてきた。「聞くだけでぺらぺら」にはならないのだ。同様に、「対話文を覚える学習法」も悪くはないが、英語表現力を上げる効果は低いと考えている。で、このページの最初に挙げた、「ひたすら単語を覚える」という学習も、それだけでは英会話の上達になかなかつながらないと思う。

理由は、上に挙げた再認と再生の関係だ。リスニングや対話文で鍛えられる能力は、「再認」的な記憶だ。これらの練習をすれば、「聞いて分かる」(再認)力は上達しても、何か言いたい時に「適切な単語を思い出す」(再生)力はそれほど鍛えられないと思う。

リスニングが再認で、会話が再生だ...と単純に言ったけれど、心理学的には正しくない。記憶研究で取り上げる「再認」と「再生」とはやや異なる。リスニングはあくまでも「再認的」な能力で、会話は「再生的」な能力だと、心理学の考え方を援用して説明しただけ。

「言葉を話す」という行為は、再認と再生と言った単純な話で説明できるほど簡単な過程ではない。専門的に言えば、表象から記号への変換、その組み立て、過去知識からの修正などなど、もっと複雑な過程なのだ...ただ、リスニングは再認的で、会話は再生的なんだよねぇ...と言う話。

ともあれ...ああ、何だかうまく説明できず疲れてきた... (^-^;

では、それでは、単語記憶はどうやったらいいんだよ! ...え~っと、それは次の記事で...(オヤスミナサイ…モウ、
ネマス…

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